先日、長崎県対馬市に漂着している海洋プラスチックを視察してきました。
目の当たりにした海洋プラスチックの『リアル』をお伝えいたします。
長崎県対馬市は、九州最北端にある約3万人が暮らす離島で、
基幹産業の1つに漁業があり、特にスルメイカ漁が盛んです。
九州本土まで約132kmに対して韓国釜山まで約49.5kmと、
日本よりも韓国に近い島のため、韓国寄りの場所では、
韓国のスマートフォン電波をキャッチしてしまうほどでした。
対馬市に漂着する海洋プラスチックは、回収できているものだけで
年間約800t、フレコンで約8000袋以上になります。
漂着物の多くは、漁業で使用したと思われるプラスチック製の仕掛け、
日本語表記以外PETボトル、浮き、プラ箱、ポリタンク、漁網など
あらゆるものが漂着しておりました。
特に島の西側(韓国・中国側)に漂着しており、
目を覆いたくなる現状を垣間見ることができました。
海洋プラスチックの処理には、海岸漂着物処理推進法に基づいて国の補助金が支援されます。
2010年度(処理費 約5億円)は、処理費のすべてが国の補助金で賄われておりましたが、
2019年時点(処理費 約3億円)では、補助金の対象が9割(約2.7億円)となり、
残り1割(約3000万円)は市の財政から捻出し、人口約3万人の対馬市には重い金額となっています。
漂着する海洋プラスチックの多くは、外から流れ着いた物です。
海洋プラスチック減少のためには、国内だけでなく、周辺国をはじめとした国外の協力が必要不可欠です。
今回対馬市に訪問し、海洋プラスチックの現状を目の当たりにしたことで
改めて、『ゴミは適切な場所に捨てる』『地球は人類のゴミ箱ではない』と考え、
一人ひとりが努力していくことが大切だと感じました。
プラスチック製品のリサイクル機器メーカーとして、再利用・再処理を有効にできる手段を追求し、
循環型社会に向けた次世代製品の開発を行い、地球環境に貢献します。
以上、ご報告とさせていただきます。